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離婚したら住宅ローンの返済はどうする?4つの選択肢と確認すべきポイントを解説

2025.12.15

住宅ローンの返済中に離婚しても、返済自体がなくなるわけではありません。どちらが家に住み返済するのか、はたまた売却するのか、夫婦間でよく話し合うことが大切ですが、その際に住宅ローンの内容等が重要な判断材料となります。

本記事では、離婚後の住宅ローン返済における選択肢や確認すべきポイントを解説。トラブルを防ぐためにぜひ参考にしてくださいね。

そもそも財産分与とは?住宅ローンも対象?

財産分与とは、夫婦が結婚生活のなかで協力して築いた財産を、離婚時に公平に分ける制度のことです。例えば預貯金・株式・不動産・車などで、夫婦で築いたものであれば名義が一方になっていても分与の対象になります。

財産分与はプラスの財産からマイナスの財産(住宅ローンはマイナス財産)を差し引いた分を分配することになります。なお、結婚前から持っていた財産や、親からの相続・贈与で得た財産は財産分与の対象とはなりません。

離婚したら住宅ローンの返済はどうする?4つの選択肢

離婚時に住宅ローンの返済が残っていた場合、家を売却した金額で残債を返済する方法があります。あるいはローンの名義人がそのまま返済するか、ローンを借り換えるのも一つです。ここでは4つの選択肢について解説します。

1.家を売却して残債を返済する

離婚時に住宅ローンが残っている場合、家を売却してローンを完済する方法があります。売却価格がローン残高を上回るアンダーローンであれば、売却代金で一括返済が可能です。

住宅ローンの支払い義務を早期に解消でき、精神的負担を軽くできるのがメリット。一方で、売却には不動産会社への仲介手数料や引っ越し費用などがかかります。

売却額がローン残高を下回るオーバーローンの場合は、売却に金融機関の同意が必要なため、対応を確認することが大切です。

2.家の名義人が住み続けて返済する

住宅ローンの名義人がそのまま住むケースもあります。例えば夫が名義人であれば、離婚後も夫が住宅ローンを支払いながら住み続ける形です。

アンダーローンの場合はその差額が財産分与の対象となり、もう一方の配偶者へ代償金を支払うことになります。反対にオーバーローンの場合、マイナスの財産は分けられないため家を出る側に支払いは発生しません。

ただし連帯保証人になっている場合は、名義人の返済が滞ると請求がくるリスクがあります。

3.家の名義人を変更してローンの借り換えをする

名義人ではない配偶者が離婚後も家を手放したくない場合は、家を名義変更しローンを借り換える方法があります。例えば夫名義の家を妻が引き継ぐ場合、金融機関の審査を受け、妻の名義で新たにローンを組み直します。

住み慣れた家にそのまま住み続けられることや、相手がローンを滞納して競売にかけられるといったリスクを防げる点がメリット。ただし、借り換えには安定した収入と信用が求められるため、専業主婦や収入が不安定な人には難しいのが難点です。

4.名義人やローン契約者を変更せずにもう一方の配偶者が住む

離婚後も家や住宅ローンの名義を変えずに、もう一方が住み続けるケースもあります。例えば家とローンは夫名義のままで妻が住み、夫がローンを支払い続けるパターンです。

この場合、妻は生活環境を変える必要がなく、金銭面の負担もせずに済む点が大きなメリット。一方で、住宅ローンは「契約者本人が居住すること」を条件にしている場合が多く、夫が家を出ると契約違反で一括返済を求められる可能性があります。

また夫がローンを滞納すると競売にかけられる恐れも。こうしたリスクを避けるために、あらかじめ支払いや家を売却しない取り決めを公正証書などにまとめておくと安心です。

離婚時の住宅ローンを検討する前に|確認しておきたいポイント4つ

離婚により住宅ローンをどうするか検討する前に、夫婦間で住宅ローンの契約内容や残額、不動産についてよく確認しておくことが大切です。ここでは4つのポイントを解説します。

1.住宅ローンの契約内容

まずは「住宅ローンを誰の名義で契約しているか」を確認しましょう。契約内容によって、
支払い義務や対応が変わります。主な契約パターンは次の3つです。

(1)名義・債務者が夫(妻)単独
(2)名義・債務者が夫(妻)で連帯保証人が妻(夫)
(3)夫婦でペアローンを組んでいるケース

内容が不明な場合は契約書を確認するか金融機関に問い合わせましょう。

2.住宅ローンの残額

現時点でどのくらい住宅ローンが残っているかも知っておくことが必要です。残りの返済額は、金融機関から届く返済予定表や残高証明書で確認できます。

もし手元にない場合は、金融機関の窓口や電話、またはインターネットバンキングから照会することも可能です。家の価値と照らし合わせてオーバーローンになっていないかも確認する必要があるため、まずは正確な残高を把握しておきましょう。

3.不動産の名義人

家を売却できるのは名義人本人だけのため、土地や建物が誰の名義になっているのかを把握しておくことも大切です。名義は法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を取得することで確認できます。

オンラインの場合は「登記情報提供サービス」(有料)を利用することで、自宅からでも閲覧可能です。土地と建物で名義が異なるケースもあるため、それぞれチェックしておきましょう。

4.不動産の価値

売却によって住宅ローンを完済できるか考慮するためには、家や土地の価値を知ることも重要です。売却の予定がなくても、家の価値を把握しておくと財産分与がしやすくなります。

複数の不動産会社に査定を依頼すると、より正確な相場を知ることが可能です。必要に応じて不動産鑑定士に依頼する方法もありますが、費用がかかる点には注意しましょう。

離婚後に住宅ローンで揉めたときは

住宅ローンに関して財産分与でトラブルが起きた場合、まずは夫婦間で話し合うことが基本です。それでも解決が難しいときは、弁護士に相談するのも一つ。

また、話し合いができない場合や折り合いがつかない場合は、家庭裁判所で調停や裁判を申し立てる方法もあります。調停では調査委員が間に入って話を進めてくれるので安心です。

夫婦間で揉めないためには、家を売却して現金化することで公平に分配するのも有効でしょう。財産分与は離婚から2年以内に手続きする必要があり、決めたことは書面に残しておくとトラブルを防ぎやすくなります。

離婚時の住宅ローンについてよくある質問

ここでは、離婚時の住宅ローンについてよくある質問にお答えします。

住宅ローン返済中に離婚したら誰が払うの?

住宅ローンの返済義務はローンの名義人にあります。居住者や登記名義とは関係ないので注意しましょう。なお、返済義務は下記のように契約形態によって異なります。

・連帯保証契約:
名義人が返済できなくなった場合にのみ、保証人に支払い義務が生じる

・連帯債務契約:
名義人と同等に返済義務があり、滞納すると連帯債務者にも催促が届く

・ペアローン:
夫婦それぞれ債務者で、互いに連帯保証人となり、支払いできない場合は相手に支払い義務が発生する

住宅ローン返済中に離婚しても妻が住むことは可能?

住宅ローンの返済中に離婚しても、これまで住んでいた家に妻が住み続けることは可能です。具体的には以下のような方法があります。

(1)夫がローンを支払い続ける
(2)住宅ローンの名義を妻に変更
(3)別の金融機関で妻がローンを借り換える
(4)リースバックを利用する
(5)その他の代替手段をとる(親族名義での借り換えなど)

複数の選択肢があるため、それぞれメリット・デメリットを理解することが大切です。

離婚時に住宅ローンがオーバーローンだったらどうすればいい?

オーバーローンとは、家の売却額より住宅ローンの残債が多い状態のことです。この場合、住宅自体は財産分与の対象にならないため、残債を折半することにはなりません。

原則名義人に支払い義務がありますが、誰が負担しどのような選択を取るのかは夫婦での話し合い次第です。ローン返済が困難な場合は、金融機関や連帯保証人と相談し、場合によっては親族等からの援助なども検討する必要があるでしょう。

離婚後の住宅ローンは夫婦間での話し合いが大切

離婚したとしても、住宅ローンの名義人には返済義務が残ります。誰がローンを返済するのか、思い切って家を売却して一括返済するのかは夫婦でよく話し合うことが重要です。

話し合いの際は、住宅ローンの契約内容や不動産情報の把握もお忘れなく。トラブルになってしまったときは弁護士など専門家の支援を得ながら、納得のいく形を見つけましょう。

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監修
佐々木総合法律事務所/弁護士
佐々木 秀一 弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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