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旗竿地をスムーズに売るには?売れない理由と後悔しない売却のポイント

2025.11.18

旗竿地は日当たりの悪さや建て替えのしづらさから「売れにくい」と言われがち。手放したくても買い手が見つかるか、不安に思う人も少なくないでしょう。しかし、旗竿地は工夫次第で売却できます。

本記事では、旗竿地が売れないといわれる理由から売却方法、注意点まで解説。売却のポイントまで紹介しているので、後悔しない取引にぜひお役立てくださいね。

旗竿地とは

旗竿地(はたざおち)とは、道路に接する細長い道路(竿部分)の奥に、家を建てられる広い敷地(旗部分)がある特殊な形状の土地のこと。上から見ると竿に旗をつけたような形状になっているためこう呼ばれます。

旗竿地は広い土地を分割した際に生まれることが多く、都市部ではよく見られます。形が不整形のため、正方形や長方形の整形地に比べて土地の評価が低くなりやすいのが難点です。

旗竿地が売れないといわれるのはなぜ?理由7つ

旗竿地はその特殊な形状から、売れないといわれることがあります。ここでは、旗竿地が売れにくい7つの理由を見ていきましょう。

1.建て替えができない可能性があるから

旗竿地の竿部分が道路に2メートル以上接していない場合、建築基準法の接道義務を満たさないため、家の建て替えができません。

一度解体してしまうと再度建物を建てられず、どうしても建てたい場合には土地の形状を変えるような大幅な工事が必要になることも。そのため、家の建て替えを希望している買い手にとって、旗竿地は敬遠されやすいのです。

2.日当たり・風通しが悪くなりやすいから

旗竿地は周囲を建物に囲まれやすく、日当たりや風通しが悪くなることがあります。特に旗部分の土地に光が届きにくい場合、居住後の快適性や光熱費にも影響するでしょう。

日当たりを改善するには、吹き抜けや天窓を取り入れたりする工夫が必要ですが、その分建築コストは高くなってしまいます。

3.利用できる敷地が限られるから

旗竿地には、道路までの通路となる竿部分の土地があるため、実際に建物を建てられるのは旗部分に限られています。そのため、駐車場や庭の配置、家の増築などが思いどおりにならないことも。

広さがあるように見えても実際に利用できる面積が少ない点は、買い手がつきにくい理由の一つです。

4.家までに私道を挟む場合があるから

旗竿地の竿部分が私道の場合、売却や建て替えの際に私道所有者の合意が必要になることがあります。権利関係や手続きが複雑になりやすく、買い手にとってはわずらわしさや不安材料になるでしょう。

5.解体にコストがかかりやすいから

旗竿地は道路に接する面が小さく、解体やリフォームの際に重機やトラックが入りにくい形状です。そのため資材を人力で運んだり、近隣駐車場から搬入したりと作業が増える分、人件費や工期が通常よりかかり、結果として費用が高くなるおそれがあります。

特に築年数の古い建物や間口の狭い旗竿地は、粉塵や騒音などの配慮も必要になり、さらに費用が上がるケースもあるでしょう。

6.住宅ローンを利用しにくいから

旗竿地は銀行の担保評価が低く設定されることが多くあります。宅地として使える範囲が限定的で、再建築不可の可能性があるため融資リスクが高いと判断されるからです。自己資金を多めに用意しないと住宅ローンが組めない場合があり、資金面で購入を見送る人が出やすいでしょう。

7.隣人とトラブルになりやすいから

旗竿地は道路から奥まった場所にあり、隣家との距離が近いことが多く隣人トラブルのリスクがあります。例えば、敷地の無断通行、庭での騒音や匂いなどです。話し合いでの解決が難しいケースもあり、買い手にとっては懸念材料になりかねないといえます。

売れやすい旗竿地と売れにくい旗竿地

売れにくい印象のある旗竿地ですが、すべてがそうではありません。売れやすい旗竿地と売れにくい旗竿地には、以下のような特徴があります。

売れやすい旗竿地の特徴 売れにくい旗竿地の特徴
・間口が広い
・日当たりや風通しがよい
・プライバシーが守られ防犯対策がされている
・周辺環境が便利
・間口が駐車スペースとして使える
・竿部分が狭く、旗部分までの距離が遠い
・採光や換気がしにくい
・再建築不可の可能性がある
・私道を使っており権利関係が不明確である

旗竿地の評価は複数の条件で決まり、同じ形状でも売れやすさに差が出ることもあります。売却戦略はその土地の特徴を押さえたうえで、不動産会社に相談しましょう。

旗竿地をスムーズに売却する3つの方法

旗竿地の売却は、セットバックを済ませたり、近隣住民や私道所有者と交渉したりすることでスムーズにいく場合があります。どうしても難しい場合は、不動産会社に買取を依頼するのも有効です。ここでは、旗竿地を売却する方法を3つ紹介します。

セットバックをして売却

旗竿地を売る際、敷地の一部を道路側より後退させる「セットバック」が有効な場合があります。道路幅が4メートル未満だと再建築不可になる可能性があるためです。

セットバックを済ませることで、マイホームや店舗を建てたい購入希望者にも魅力的になり、売れやすくなります。ただし工事には相応の費用と期間がかかるのが難点です。

近隣住民や私道所有者と交渉して売却

隣地の住民や私道所有者と交渉し、旗竿地の売却を進める方法もあります。隣地の住民に購入を検討してもらえば、土地が広くなり整形地に近づくことで、増築や駐車スペースの確保も可能になります。

私道を通路として使用する必要がある場合は、私道部分の売却を検討してもらうか、私道の通行地役権(通行するための権利)を認めてもらうのも一つです。

不動産会社に買取を依頼

旗竿地の売却がなかなか進まない場合や現金化を急ぐ場合は、不動産会社に買取を依頼するのもおすすめです。買取価格は市場価格より低くなりますが、一般的に売りにくい旗竿地でも専門の業者ならスムーズに買い取ってくれます。

不動産買取のご相談は、ぜひ住栄都市サービスにお任せください。

旗竿地を売却するうえでの注意点

旗竿地を売却する際、事前の解体は避けましょう。また引っ越す予定がある場合は、先に住み替えてから売却するのがおすすめ。ここでは、旗竿地を売却するうえでの注意点を解説します。

解体せず戸建てのままにしておく

旗竿地を売却する際、家を解体せずに売り出すのが基本です。建物を取り壊すと再建築不可のリスクが高まるだけでなく、固定資産税の負担が大幅に増える場合があります。

また古い家があることでリノベーションを前提にしたい買い手の選択肢も広がるので、家は残しておくのが無難です。

住み替えてから売却する

新しい家に住み替える場合は、先に新居に引っ越してから旗竿地を売却するのがおすすめです。住んだ状態から売ろうとすると家具やカーテンで部屋が狭く見えたり、収納を確認しにくかったりして内覧の印象が下がることがあります。

一方、空き家にすることで部屋が広く明るく見え、日当たりの悪さも目立ちにくくなるため、旗竿地でも好印象を与えやすくなるでしょう。

【後悔しないために】旗竿地売却を成功させるポイント

旗竿地の売却では、不動産会社を慎重に選ぶことが大切です。場合によっては建築プラン付きで提案することで、スムーズな売却につながることも。ここでは売却を成功させるポイントを2つ紹介します。

不動産会社を慎重に選ぶ

旗竿地を売却するときに大切なのは、不整形地の取り扱いに慣れている不動産会社を選ぶことです。一般的な整形地と違い、旗竿地は売却の工夫が必要になるため、経験と実績がある会社・担当者が心強いパートナーになります。

不動産会社ごとに得意分野は異なりますが、旗竿地の売却では土地や中古戸建ての売却実績が豊富な会社だと安心です。査定額にも差がある場合があるので、複数社を比較し適切な売却価格を設定している会社を慎重に見極めましょう。

建築プラン付きで提案する

旗竿地は「日当たりや風通しが悪そう」「圧迫感がある」といった理由で「恥ずかしい」と感じ、購入をためらう人も少なくありません。そんなときは不動産会社に建築プラン付きでの売却を提案してもらうのがおすすめ。

例えば天窓や高窓を設置して室内に光を取り込む、屋上やウッドデッキを設けて開放感を演出するといったプランを示せば、買い手が前向きに検討しやすくなります。

不動産会社ではこうした提案を無料で行ってくれる場合もあるため、積極的に相談してみるとよいでしょう。

旗竿地は工夫することで売却可能!困ったら不動産会社に相談を

売れにくい要素を多く持つ旗竿地ですが、セットバックや隣家の住民との交渉、建築プラン付きでの提案などによってスムーズに売却を進められることもあります。売却時は事前の解体を避け、引っ越し予定がある場合は住み替えを先に行うのがおすすめ。

どうしても売却が難しい場合は、不動産会社に買取を依頼するのも一つです。

売りにくい土地の売却は住栄都市サービスにお任せ

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監修
佐々木総合法律事務所/弁護士
佐々木 秀一 弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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