ログ記事 Blog Article

マンション売却時の不動産会社の選び方|業者の種類やポイント・注意点などを解説

2025.10.01

相続したマンションを売却する際に、不動産会社の選び方に迷う人も多くいます。売却実績や地域への精通度、査定額の根拠などで信頼できる不動産会社かどうかを見極めることが大切。

本記事では、マンション売却時の不動産会社の選び方や仲介と買取の違い、大手不動産会社と中小不動産会社のメリット・デメリットの他、売却時のポイントや注意点を解説します。

マンション売却業者は大きく2種類に分けられる

マンションの売却を依頼できる不動産会社は、取引方法によって「仲介業者」と「買取業者」の2種類に分けられます。それぞれ特徴が異なるので、まずは自身の状況や希望に合わせてどちらの業者を選ぶか検討してみましょう。

仲介業者:買主を探してくれる

仲介業者は、売主と買主の間に入って売買契約の成立をサポートしてくれます。インターネット広告やチラシなどを活用して買主を探し、売主と買主の希望条件をすり合わせる役割を担うのが特徴です。

市場価格に近い金額で売却しやすい傾向ですが、買主が見つかるまでに3か月程度の時間がかかる場合もあります。また、売買契約が成立した際は「仲介手数料」を支払う必要があります。

買取業者:直接購入してくれる

売却を急いでいるか、手続きを簡潔に済ませたい場合は、買取業者への依頼が適しています。買取とは、不動産会社に直接マンションを売却する方法。売却後のマンションは、リフォームなどを施した後に再販売されます。

買取の場合は仲介のように買主を探す手間が不要なため、短期間での売却が可能です。仲介手数料も不要ですが、売却価格は市場価格より安い傾向にあります。

大手不動産会社と中小不動産会社のメリット・デメリット

マンション売却を依頼する不動産会社選びの際は、会社の規模も判断基準になります。大手と中小にはそれぞれ異なる特徴があることを理解したうえで検討しましょう。

大手不動産会社のメリット・デメリット

メリット:知名度と集客力が高く、取引実績が豊富
デメリット:業務がマニュアル化されていて、担当者によって対応に差が出る場合も

全国展開している大手不動産会社は知名度が高く、広告やネットワークを活用した集客力に優れているのが魅力です。取引実績も豊富なので、売却に不慣れな場合でも安心して任せやすいでしょう。

一方で、業務がマニュアル化されている傾向があるのに加えて、担当者が異動してしまうケースも見られます。きめ細かな対応や一貫した担当者を求める場合はデメリットとなる可能性があるので、その点を考慮しておく必要があります。

中小不動産会社のメリット・デメリット

メリット:地域に密着した、柔軟な対応が可能
デメリット:集客力や知名度が大手に劣る傾向

中小不動産会社は、地域に特化した専門性と柔軟な対応が強みです。特定のエリアに深く根ざしているため、地域の相場やニーズ、購入を希望する層などを詳細に把握している傾向。担当者との距離も近いことが多く、融通の利いた対応が期待できます。

ただし、大手と比較すると広告の規模や知名度は劣るため、集客力という点では不利になるかもしれません。

マンション売却時の不動産会社の選び方

マンション売却を成功させるためには、不動産会社の選び方が非常に重要です。以下の点を考慮して、自身の状況に適した信頼できる不動産会社を見つけましょう。

1.売却実績が豊富な不動産会社を選ぶ

信頼できる会社を選ぶには、マンション売却の実績が豊富かどうかを確認することが大切です。取引実績は、会社の信頼性を判断する材料になります。

また、過去の取引件数が多い不動産会社は、経験値に基づいた提案や販売戦略を立てる力に優れていると考えられます。過去にどのような物件を扱ってきたかを確認し、マンション売却に強い不動産会社などの実績がある会社を選ぶと良いでしょう。

2.地域に精通した不動産会社を選ぶ

売却予定のマンションがある地域に精通している会社を選ぶのも、取引を成功させる近道の一つです。地域特性を理解している会社なら、需要の高い層への的確なアプローチが期待できます。

反対に、地域情報に乏しいと、適切な価格設定や販売戦略を立ててもらえない可能性があります。売却予定のマンションがある地域での成約実績を確認し、そのエリアに強い不動産会社を選んでみてください。

3.担当者の対応が信頼できる不動産会社を選ぶ

担当者の対応力や信頼性を見極める力も必要です。同じ不動産会社でも担当者によって経験や仕事への姿勢は異なるため、売却価格やスピードに影響があるかもしれません。

質問への回答が明確か、具体的な提案をしてくれるか、熱意を持って対応してくれるかなどをチェックしてみましょう。また、リスクや注意点も正直に伝えてくれる担当者は信頼性が高いと言えます。担当者との相性もあるので、複数の会社の担当者と実際に話してみるのがおすすめです。

4.査定額の根拠が明確な不動産会社を選ぶ

マンションの査定額の根拠を明確に説明できる会社を選ぶことも重要。根拠のない高額査定は、契約を取るための営業手法かもしれません。

査定時の説明に過去の成約事例・近隣の販売事例・物件の個別条件などの具体的なデータがきちんと含まれていれば、信頼性が高いと考えられます。

5.インターネット広告を活用している不動産会社を選ぶ

不動産会社を選ぶ際は、インターネット広告をどの程度活用しているかもチェックしておきましょう。近年は、多くの買主が不動産ポータルサイトやSNSを通じて物件情報を得ています。積極的にインターネット広告を活用する会社を選ぶと、購入希望者の目に留まりやすくなり、売却成功率が高まる可能性があります。

反対に、ネット広告に力を入れていない会社だと、売却までに時間がかかるかもしれません。どの広告媒体を使って販売活動をしているかも、事前に確認しておくのがおすすめです。

不動産会社にマンションを売却する際のポイントや注意点

マンション売却を成功させるには、不動産会社の選び方だけではなく売却を進める過程で注意すべき点も多くあります。不動産会社にマンションを売却する際に押さえておくべきポイントや注意点を整理して解説します。

査定額だけで決めるのは避ける

不動産会社を選ぶ際に、査定額だけを基準にして決めるのは危険です。契約を取るために、相場より高い査定額を提示しているだけかもしれません。

根拠のない高額査定だと、売却活動時に買い手が見つからず、最終的に値下げを繰り返してしまう可能性があります。結果的に売却期間が長引き、査定時の売却価格を下回るといった事態も考えられます。

査定額はあくまで目安であることを意識し、信頼できる根拠を持って説明してくれる会社を選ぶことが何より大切です。複数社に査定を依頼し、価格だけではなく担当者の姿勢や販売力も含めて比較してみましょう。

強引な専属専任契約に注意する

不動産会社から強引に専属専任契約を迫られた場合は、注意が必要です。専属専任契約とは1社のみに売却活動を任せる契約形式を指し、他の不動産会社に依頼できないという制約があります。

契約を急かされて十分に比較せずに専属専任契約を結んでしまうと、数か月間ほかの会社に依頼できず、売却活動が停滞するかもしれません。

専属専任契約を結ぶ際は、担当者の実績や販売計画を確認したうえで納得してから決めるようにしましょう。

必要な書類を準備しておく

マンション売却時は、権利関係や物件の状態を証明するための書類が必要です。特に相続したマンションの場合、相続登記が済んでいないと売却できないため事前に済ませておくようにしましょう。

マンション売却時に必要な主な書類は、以下の通りです。

書類の種類 用途
登記簿謄本(登記事項証明書) 所有者を証明するために必須
権利証または登記識別情報 所有権を確認するために必要
固定資産税の納税通知書 課税額や評価額の確認に使用
身分証明書(運転免許証など) 売主本人確認に必要
印鑑証明書・実印 売買契約時や登記手続きで必要
管理規約・使用細則 管理組合のルールを買主に説明する際に必要
管理費・修繕積立金に関する書類 物件の維持管理状況を確認するために必要
建築確認済証・検査済証 建物の合法性を示すために利用

売却時にかかる費用を確認する

売却には仲介手数料や税金など、さまざまな費用が発生します。売却価格だけではなく必要となる費用も事前に見積もっておくと、より正確に手取り額を把握しやすくなります。

売却時の主な費用として、以下のようなものが挙げられます。

費用の種類 用途
仲介手数料 売却が成立した際に仲介会社へ支払う成功報酬
印紙税 売買契約書に貼付する印紙代
抵当権抹消費用 住宅ローンが残っている場合に必要
司法書士報酬 登記手続きを依頼する際の費用
譲渡所得税・住民税 売却益が出た場合に課税される税金

担当者とこまめに連絡をとる

売却活動中は担当者と定期的に連絡を取り合い、情報を共有するようにしましょう。売却活動時は、内覧希望者の対応や広告掲載の状況などの進捗を確認しながら、対応を調整する必要もあります。

担当者とのやり取りが少ないと、内覧が思うように入らないなどの問題点を把握するのが遅れて、売却のチャンスを逃してしまうかもしれません。信頼できる担当者を選ぶのはもちろん、自分から積極的にコミュニケーションをとる姿勢も大切です。

信頼できる不動産会社選びでマンション売却を成功させよう

マンションを売却する際は、仲介・買取の違いや大手・中小の特徴を理解し、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。ポイントや注意点も押さえておき、後悔のない売却を実現しましょう。

不動産でのお困りごとはこちらから お気軽にご連絡ください!

不動産所有や不動産売却についてのご不安などお聞かせください!

監修
佐々木総合法律事務所/弁護士
佐々木 秀一 弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

お問合せはこちら

一覧へ戻る