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不動産売却のスケジュールと期間|具体的な流れや短くするコツも解説

2024.01.08

不動産売却を検討している人は、なるべく早く、そして高く不動産を売却するのが理想ではないでしょうか。しかし、実際どれくらいの期間で売却できるのか不安を抱えているかもしれません。

不動産売却のスケジュールは9ステップあり、不動産会社に最初に相談した日から引き渡しまで、3ヶ月から9ヶ月ほどかかります。

この記事では、不動産売却の各スケジュールの具体的な流れと、スケジュールを短くするコツを解説します!

不動産売却のスケジュールと期間

不動産売却は相場の事前調査から物件を引き渡すまで、大きく分けて9ステップあります。

1.事前準備
2.不動産会社への相談・査定
3.不動産会社と媒介契約の締結
4.売却活動
5.購入者と価格等の交渉
6.購入者と売買契約
7.手付金を受領
8.残代金を受領
9.物件を引き渡す

上記の画像にある通り、期間の目安は次の通りです。

・相談・査定〜媒介契約締結まで、1〜4週間
・売却活動〜売買契約まで1〜5ヶ月
・手付金の受領から引き渡しまで1〜3ヶ月

あくまでも目安であり、この期間よりも時間がかかることも考えられます。

例えば、信頼できる不動産会社が見つからない、購入希望者が見つからない、購入者のローン審査に時間がかかるといったケースもあります。

時間がかかることを理解した上で、不動産売却を進めるとスムーズです。

不動産売却|各スケジュールの流れ

先述した通り、不動産売却は相場の事前調査から物件を引き渡すまで9ステップのスケジュールで行っていきます。

また、不動産売却をする上で信頼できる不動産会社を見つけることが、重要なポイントです。

不動産会社を選ぶ際には査定や交渉、契約などをスムーズに対応してくれるか見極める必要があります。それも踏まえて、ここでは不動産売却の各スケジュールの流れを確認していきましょう。

相場の事前調査

不動産をできるだけ高値で売るには、相場情報を事前に調べておくのがポイントです。次のステップである不動産査定に出したときに、相場とギャップがあれば、なぜその価格なのか理由を確認できます。

納得した価格で売却するためにも、相場の事前調査は欠かせません。不動産の相場価格を調べる方法として、以下のようなサイトを参考にすると良いでしょう。

<不動産の価格相場を調べられるサイト>
・国土交通省土地総合情報システム
都道府県別の基準地価格と、実際にあった不動産取引の価格を確認できます。

・不動産関連の各ポータルサイト
周辺物件の価格を確認できます。

ただし、あくまでも事前準備は参考情報です。不動産の状況によって価格相場は変動することもあると心に留めておきましょう。

不動産会社への相談・査定

相場が確認できたら、複数の不動産会社に売却の相談をしましょう。複数に相談した方が良い理由は、不動産会社によって査定価格に差が生じるからです。

また、買取価格は購入者側の希望タイミングや状況にも左右される特徴があります。そのため、時期を分けて複数の不動産会社から見積りを取得するのがおすすめです。見積り取得後は、すぐに売却をしなくても問題ありません。

加えて現在の査定額を知っておくことで、売り時を見極められるようになります。景気が変動すると査定額も変動することがあるので、いつでも相談できる不動産会社がいると安心です。

そのためには、信頼できる担当者であるかどうかも見極めなければなりません。信頼できるか判断するには、訪問査定時に営業担当者へ相続やローンなどの質問をするのがおすすめです。

質問に対する対応や態度で判断できるため、できるだけコミュニケーションを取るように心掛けましょう。

とはいえ、相談や査定をするとしつこく営業されるのが心配という人もいるかもしれません。しかし、宅地建物取引業法(以降、宅建業法)によって以下のような行為が規制されています。

・相手を怖がらせる行為
・電話で長時間にわたる勧誘で困らせる行為
・今後の契約や勧誘行為を希望しない意思表示の後にも勧誘を続ける行為

万が一しつこい営業電話があった場合には、「宅建業法に違反していませんか?」と聞いてみると良いでしょう。

不動産会社と媒介契約の締結

相談・査定で依頼したい不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。

媒介契約は売却や購入などの仲介を依頼する際に必要で、宅地建物取引業法によって定められています。

媒介契約の種類は「一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約」の3種類があります。それぞれの違いは以下の通りです。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
依頼できる不動産会社の数 複数可能 1社のみ 1社のみ
自分で買い手を見つけること 可能 可能 制限あり
不動産会社からの販売活動報告の頻度 報告義務はなし 2週間に1回程度 1週間に1回程度
契約有効期限 期限なし 3ヶ月以内 3ヶ月以内
指定流通機構(レインズ)への登録 登録義務なし 7日以内に登録 5日以内に登録

表からわかるように、媒介契約の種類によって依頼できる不動産会社の数や自分で買い手を見つけられるかなど、契約内容に違いがあります。

また、不動産会社からの販売活動の報告頻度は、一般媒介契約では報告義務がないのも特徴です。

加えて、指定流通機構(レインズ)とは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営する、売買や賃貸の物件情報が集約されたコンピューターネットワークシステムを指します。

不動産会社だけが見られるサイトで、登録されると市場へ幅広く不動産を告知できるメリットがあります。

3つの媒介契約のうち、どれを選べば良いのか悩んでしまうかもしれません。媒介契約は状況に応じて選ぶと良いでしょう。

例えば、一般媒介契約は複数の不動産会社に依頼したい人や、不動産の需要があるエリアで、時間がかかってもできるだけ良い条件で売却したい人に、向いています。

専任媒介契約は、自分でも買い手を見つけたい人や、できるだけ早く売却したい人におすすめです。また、専属専任媒介契約は、スピーディーに売却したい人や高い優先度での売却活動を求める人に向いています。

売却活動

媒介契約の締結後、不動産会社はWebサイトや店頭広告などで買主を探します。売主は不動産会社が探した購入者からの質問や問合わせに対応する必要があります。

内覧の希望が入る場合もあるため、いつ内覧があってもいいように準備をしておきましょう。

内覧で準備しておきたいポイントは以下の通りです。

<ポイント>
・内覧日は購入者の希望日を優先する
・居住している場合は、部屋を掃除する
・空き家の場合は、水回りを磨く
・居住中・空き家、どちらの場合でも内覧の直前には換気する

売却活動をしている間は、常に部屋をきれいにしておくことが大切です。また、臭いは印象を左右するため、内覧前には必ず換気するようにしましょう。

さらにトラブルに発展しないためにも、欠陥がある場合は隠さず開示するのがポイントです。

購入者と価格等の交渉

購入者が価格交渉をしたい場合、不動産会社から連絡が来ます。不動産会社が仲介に入っている限り、基本的に売主と購入者が直接やりとりすることはありません。

価格交渉の場合、購入者の予算やローンの借入可能額にもよりますが、価格の10%以下での交渉がほとんどです。購入者は買付証明書を提出した上で価格交渉するため、売却できる確率は高いでしょう。買付証明書の提出は、買主に売買契約締結を義務付けるものではありません。

買付証明書とは、購入意思や希望条件が記載されている書類のことです。売主は相場の事前調査や不動産会社への相談内容から、値下げできるか判断します。

最終的な価格を決定する際には、購入者がいくらまで支払えるのか可能額を確認するのも一つの手です。

また、不動産売買のプロである仲介業者の意見を聞いて判断するのも良いでしょう。

購入者と売買契約

購入者との売買契約は、仲介業者・売主・購入者の3者で行います。日程と場所の調整は、不動産会社が行うのが一般的です。

場所は不動産業者の事業所か、双方の自宅のいずれかで行うことが多いでしょう。契約時には、家の引き渡し方も具体的に決めていきます。

例えば、家具や備品を残して引き渡すのか、あるいはすべて撤去してから引き渡すのかなどです。契約書の読み合わせをした後、売主と購入者が契約書へ記名押印して契約を締結します。

手付金を受領

売買契約の締結の際には、手付金を受領します。手付金とは、契約成立の証明や契約解除の違約金として、購入者から売主に支払われるお金のことです。

一般的に、売却額の5〜10%が相場になります。例えば3,000万円なら、150万〜300万円が手付金の相場になります。支払い方法は、現金払いが原則です。

なぜなら、不動産会社の倒産や、売主と連絡が取れず購入者に手付金が返却されるなどのリスクに備えるためです。

とはいえ高額の現金を持ち運ぶリスクを避けるため、振り込みを利用するケースもあります。

しかし、銀行が休みの土日に売買契約が行われることが多いため、現金を用意しなければならない場合が多くなります。

残代金を受領

手付金の受領だけでは物件の引き渡しができないため、残代金を受領する必要があります。

手付金よりも高額になるため、口座への送金が一般的です。売主は購入者からの入金を確認し、残代金の受領が完了となります。

売主は入金された代金から仲介手数料や税金類の支払いを行うため、使い過ぎには十分気をつけましょう。

物件を引き渡す

残代金を受領したら、抵当権の抹消や所有権の移転などの登記申請手続を行い、不動産を購入者へ引き渡します。

二重譲渡を防ぐために、残代金の受領後すぐに登記申請を行わなければなりません。

登記申請が済んだら売買契約書にて予め定められている期日に鍵を渡して、引き渡しが完了です。

以上が不動産売却の具体的な流れになります。これらをしっかりサポートしてくれる不動産会社を選ぶようにしましょう。

不動産売却のスケジュールを短くするコツ

不動産売却はできる限り短期間で済ませたいものです。不動産売却のスケジュールを短くするには、以下のコツがあります。

・適正価格を知ること
・相場価格より5〜10%価格を下げる
・不動産買取を検討すること

それぞれ詳しく解説します。

適正価格を知ること

不動産の適正価格の目安は、一般的に3ヶ月で売れる価格と言われています。

首都圏不動産流通市場の動向(2022年)のデータによると、過去10年間のマンションと中古戸建ての売却活動から契約までにかかった日数平均は、中古マンションが83日、中古戸建てが102日となっています。

戸建てとマンションを比べると、戸建ての方が約20日ほど遅い傾向です。その理由として、売出し価格が影響していると考えられます。

売出し価格とは、不動産を売りに出すときに売主が決める価格のことです。売出し価格を高く設定すると販売日数は長くなり、反対に安く設定すると販売日数は短くなります。

売出し価格を高く設定して時間をかけて売却したとしても、高く売れるとは限りません。

一方で、安く設定して早く売れたとしても、利益が少なくなってしまいます。売出し価格を決める際には、事前の相場調査や、不動産会社に査定してもらい、適正価格を知っておきましょう。

相場価格より5〜10%価格を下げる

近隣物件の相場に比べて5〜10%ほど価格を下げると、購入者にとって魅力的に見える場合があります。

売主としてなるべく高く売れるのが理想ですが、売却に時間がかかるのは避けたいというときに有効な手段です。ただし、10%以上価格を下げてしまうと、当然利益が少なくなります。

高く売ることと早く売ることを両立させるために、事前に調べた相場から価格を検討すると良いでしょう。

不動産買取を検討すること

購入者を探して売却するのではなく、不動産買取も一つの手段です。

不動産買取とは、不動産会社が直接不動産を買取ることを指します。売却活動をする必要がないほか、複数回の内覧対応をしなくて良いため、個人に売却するよりも不動産会社の方が売却期間が短いのが特徴です。

早くて数日、長くても1ヶ月程度と言われています。また仲介とは異なるため、仲介手数料もかかりません。

しかし買取価格は、個人への売却に比べて2〜4割ほど安くなる可能性があります。不動産買取は、価格よりもスピード重視の場合に最適な方法です。

また、売りにくい物件の場合は専門の買取業者に相談すると良いでしょう。見積りを出す際に、買取も選択肢に入れて検討することをおすすめします。

住栄都市サービスでは不動産買取を行っています。売れにくい物件や空き家なども対応可能です。ぜひお気軽にお問合わせください。

スピーディーな売却を実現する住営都市サービスの買取サービス

不動産売却についてよくある質問

不動産売却についてよくある質問は以下の3つです。

・不動産売却にかかる平均期間は?
・不動産売却はお金が入るまでどのくらいかかる?
・固定資産税や管理費はいつまで払う?

これらの疑問にお答えしていきます。

不動産売却にかかる平均期間は?

前述の通り状況によって異なりますが、不動産会社に相談をしてから売買契約を締結するまでの平均期間は、3ヶ月〜9ヶ月ほどが目安です。

エリア、築年数、物件種別によって売れやすさは左右します。需要が低い土地や築年数の古い家、競合が多い物件などは売却にかかる期間が長くなりがちです。

しかし、どんな不動産でも適正価格を見極めることで短期間での売却は目指せるでしょう。

不動産売却はお金が入るまでどのくらいかかる?

不動産売却をしてお金が入るまでの期間は、手付金か残代金かによって異なります。

手付金は売買契約を締結する際に支払われるもののため、不動産売却にかかる期間と同様で半年〜9ヶ月ほどが目安です。手付金は売買契約の場で、現金で支払われるのが一般的です。

残代金は成約価格から手付金を引いた額が支払われます。購入者が銀行にローン審査する場合もあるため、+1ヶ月程度かかると言えるでしょう。家を引き渡す当日に、銀行振り込みで支払われるのが一般的です。

固定資産税や管理費はいつまで払う?

売主は、固定資産税や管理費を先払いしているため、それ以上の支払いはありません。

固定資産税精算金は売主が1年分を先払いしているため、販売価格とは別の諸費用として買主へ日割りで請求します。

管理費も物件によって異なりますが、2ヶ月ほど先払いしているため、諸費用に含めて請求するのが一般的です。

例えば3,000万円のマンションなら、物件価格の3,000万円には含めず、3,000万円+固定資産税清算金や管理費などの諸費用として販売します。

買主は、売主が先払いしている分を売主に諸費用として支払い、その後の管理費は買主が自ら支払うことになります。つまり、売主は固定資産税や管理費を先払いしている限り、それ以上に払うことはありません。

不動産売却はスケジュールを知って計画的に行おう

不動産売却の流れは9ステップあり、期間は3~9ヶ月ほどかかります。

相談・査定〜媒介契約締結までが1〜4週間、売却活動〜売買契約までが1〜5ヶ月、手付金の受領から引き渡しまで1〜3ヶ月というスケジュールです。

不動産売却のスケジュールを短くするコツは、「適正価格を知ること」「相場価格より5〜10%価格を下げること」ですが、それ以外に「不動産買取を検討する」という選択肢もあります。

価格よりもスピードを重視したい人は買取がおすすめです。ぜひ、不動産売却はスケージュールを知って、計画的に行っていきましょう!

監修
佐々木総合法律事務所/弁護士
佐々木 秀一 弁護士

1973年法政大学法学部法律学科卒業後、1977年に司法試験合格。1980年に最高裁判所司法研修所を終了後、弁護士登録をする。不動産取引法等の契約法や、交通事故等の損害賠償法を中心に活動。「契約書式実務全書」を始めとする、著書も多数出版。現在は「ステップ バイ ステップ」のポリシーのもと、依頼案件を誠実に対応し、依頼者の利益を守っている。

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